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あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、「直床」と「二重床」という言葉をご存知でしょうか。
マンションの床にはこの2種類の構造があります。
リノベーションをするうえでも、床の構造で「できること」と「できないこと」が分かれる場合もあります。
それぞれの特徴を簡単にご紹介しつつ、リノベーションのお話しを絡めてお話しさせていただきます。
マンションの床構造の種類
マンションは一戸建てと違い、近隣に住まわれる人との距離が「壁一枚」「床一枚」と非常に近いという特徴があります。
ですので、様々な生活音が近隣の住戸の迷惑にならないよう遮音性が考えられ設計されています。
では、床にフォーカスしてその構造がどのようなものかをみていきましょう。
直床とは
駆体コンクリート(床スラブ)の上に直接床材を張る構造を指します。
二重床とは
駆体コンクリート(床スラブ)と床材との間に支柱を立てて、床下に空間を作る構造を指します。
直床の場合、床材は駆体に直接張ることになります。
その駆体は下の階の住人からすれば天井部分の駆体となり、音が直接伝達してしまう構造となりますので、クッション性が高い床材が選ばれていることがほとんどです。
リノベーションで床材を張り替える際、クッション性が高い床材を選ぶ必要があるため、選択肢が狭まってしまいます。
対して二重床の場合は、床下に空間があることで構造自体にある程度の遮音効果がありますので、フローリングやタイルなど、幅広い床材が使用されます。
リノベーションの際の床材選びも選択肢が広くなります。
とはいえ、二重床の遮音効果が完璧というわけではありません。
二重床には太鼓現象と呼ばれる特有の音問題があることも知っておいてください。
これは、太鼓を叩いた時と同じ様に、発せられた音が二重床の空間内で響いて増幅されてしまうという現象です。
発せられる音の種類や位置によって音の伝わり方は変わりますが、お子様が元気に走り回った時の音など重量のある衝撃音(重量床衝撃音)は伝わりやすいと言われています。
重量床衝撃音は駆体コンクリートの厚み(床スラブ厚)にも関係しますので、マンションを選定する際に調べてみることをおすすめします。
二重床の豆知識
二重床は、2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、マンションで一般的に採用されるようになりました。
この法律が施行されるより以前に建てられたマンションでは、二重床になっていないケースが多くあります。
リノベーションと床構造との関係性
二重床の場合は床下に空間が存在するため、そこに電気配線やガス管、給水管や排水管などの配管があります。
マンションでリノベーションをする際、間取り変更に伴う水まわりの移設や床材選びの幅の広さなど、色々な面で自由度が高くなります。
一方で、直床の場合はそれらの選択肢が狭まってしまうことになります。
リノベーションの内容によっては床の構造が関係しない場合もありますので、ご不明な場合はお気軽にお問い合わせください!
マンションリノベーションをご検討中で、これからマンションを探す、または探している場合は、是非「床の構造」にも注目してみてください!
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